リルケ 

もろもろの事物のうえに張られている 
成長する輪のなかで私は私の生を生きている 
たぶん私は最後の輪を完成することはないだろう 
でも 私はそれを試みたいと思っている 

私は神を 太古の塔をめぐり 
もう千年もめぐっているが 
まだ知らない 私が鷹なのか 嵐なのか 
それとも大いなる歌なのかを    



ドイツ語詩人、リルケ(1875-1926)の詩。 
私は「この成長する輪」を、職業柄、らせん状のDNAであったり、たんぱく質であったりするイメージでこれまで捉えてきた。ある人はこれらを膨張する宇宙や、銀河のように捉えるかもしれない。 
どういう理由か、この詩は私にある癒しを与えた。 

なお、ワトソン・クリックによるDNA二重らせんの発見は1953年である。 

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