砂浜で 大手礼二郎

「砂浜で」 大手礼二郎




風が 吹けば
風はほほを 愛撫する
・・・・・・いとしさに




なぎさに 今日も潮がよせて
ひょうとなる 貝のから




僕はその中に聞く 
きらびやかな 蝶の抑揚
──遠く 忘れていたもの




さりげなく 目をとじて
まつげに 春の息吹をしのぶ




風が吹けば
僕はそっと 君の名を呼んでみよう
愛してる・・・・・・と


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