詩の味わい

このページは、無名詩人 大手礼二郎(故人)の詩と、古今東西にわたる多くの詩人の有名詩を歌っていくページです。大手礼二郎詩集「風の思惑」と未刊の第二詩集以後、補遺、その他、管理人が好きな詩を中心に紹介して行きます。

2010年9月22日水曜日

舞とおおけすとら

秋---
日はしょうしょう
天は虚空(くう)
雲のもだえの うさうささ

白い衣
百葉への
舞と おおけすとら

うらぶれた
ひとの こころに
風と 葉と ためいきと

うつむきたるおのれ
朽ち葉への
あわき のすたるじあ

牡牛の目(アルデバラン)の
赤や いかん
ざくろの はじけた 赤さ

つめたきものたれ
星の したたり
目に ひかり

秋---
影の ゆく
影への
舞と おおけすとら


*近代文芸社刊 大手礼二郎「風の思惑」収録。
あおい蛾のためいき(1955-1956)より

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