詩の味わい

このページは、無名詩人 大手礼二郎(故人)の詩と、古今東西にわたる多くの詩人の有名詩を歌っていくページです。大手礼二郎詩集「風の思惑」と未刊の第二詩集以後、補遺、その他、管理人が好きな詩を中心に紹介して行きます。

2010年10月31日日曜日

リルケ 

もろもろの事物のうえに張られている 
成長する輪のなかで私は私の生を生きている 
たぶん私は最後の輪を完成することはないだろう 
でも 私はそれを試みたいと思っている 

私は神を 太古の塔をめぐり 
もう千年もめぐっているが 
まだ知らない 私が鷹なのか 嵐なのか 
それとも大いなる歌なのかを    



ドイツ語詩人、リルケ(1875-1926)の詩。 
私は「この成長する輪」を、職業柄、らせん状のDNAであったり、たんぱく質であったりするイメージでこれまで捉えてきた。ある人はこれらを膨張する宇宙や、銀河のように捉えるかもしれない。 
どういう理由か、この詩は私にある癒しを与えた。 

なお、ワトソン・クリックによるDNA二重らせんの発見は1953年である。 

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